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更年期障害の症状というのは個人差が大きいので、すでに経験をした人にも、自分の症状のツラさを理解してもらえる時ばかりではありません。
しかし、たとえ心身の症状が重かったとしても、職場の同僚に理解をしてもらえるように努力すれば、仕事を退職することなく続けるとこはもちろん可能です。
今回はこうした「更年期障害と仕事」との関係についてお話をしていきます。
更年期障害の症状で仕事にどんな影響が?
更年期障害には色々な症状があります。
その症状は身体的な症状だけでなく、精神的な症状もあるので、見た目だけでは「この人が更年期障害に苦しんでいる」と理解してもらえないこともままあります。
しかし、本人はその症状にとても苦しんでいることもあるので、できれば一緒に仕事をする同僚や上司、部下には更年期障害での体調不良について理解してもらえるように努力をすることも必要です。
では更年期障害での症状で仕事に影響が出てくるのはどのような症状でしょうか?
更年期初期に見られる症状と仕事への影響
月経異常
月経痛が重い人は、更年期初期に起こる月経異常(周期が短くなるとか不規則な出血があるなど)で仕事へ影響が出ることがあります。
自律神経系の異常
のぼせやほてり、発汗など、自律神経系が関係する不調は、集中力の欠如をもたらしたり、接客面でスムーズな対応ができなくなる可能性があります。
精神神経系の異常
物忘れが多くなったり、不眠、イライラなどが多発するので、ちょっとしたことで気分が左右することが出てきます。
更年期中期~後期に見られる症状と仕事への影響
膣や膀胱の異常
頻尿になることが多いので、長時間トイレに行くことが難しい職場ではツライことが多くなるかもしれません。
また、トイレを我慢することで、細菌性膣炎を起こしやすくなったり膀胱炎になりやすくなることもあります。
筋肉や骨格の衰え
肩凝りや背骨の傷み、腰痛が激しくなることがあるので、立ち仕事の人へは大きな影響が出ることがあります。
皮膚の衰え
しみやシワ、たるみなどが増える傾向があるので、美容系の仕事についている人には影響が出ることも考えられます。
上記以外の体調不良による仕事への影響
高血圧
体力を使う(体を動かす)ことの多い職場では、高血圧による影響で体調を崩すことがでてくることも考えられます。
心筋梗塞
閉経後10年程度で、心筋梗塞を起こしやすくなることもあります。
更年期に無理をしすぎて体を酷使すると、後々怖いこともあるので気を付けましょう。
更年期障害について同僚に理解してもらうにはどうする?
冒頭での少し触れていますが、更年期障害というのは同僚の中に経験者がいたとしても「同じ気持ち」で語ることはできません。
経験者の更年期障害の症状がもしあなたより軽く済んでいれば「更年期障害なんて気持ちの問題よ」なんてことも言われかねないからです。
ですから、更年期障害で自分が今現在しんどい状況にあるというのは、客観的な判断をしてもらうのが一番です。
その客観的判断でやはり役に立つのは医師の診断書となります。
そこに血液検査など「科学的根拠」のある診断があれば、なおのこと効力が出てくるでしょう。
そうした第三者の客観的な判断を用意したうえで、自分がどんな症状でしんどいと思っているか、その症状を改善させるためにどのような努力をしているかを会社側に説明すると良いでしょう。
また、仕事というのは1人で進めているものではないので、迷惑をかけそうな人には事前に「このような症状で○○については迷惑をかけるかもしれない」ということを具体的に言っておくと効果的です。
例としては…
- 立ちっぱなしの仕事でめまいや息切れなどがしてくる場合は、お客様がいないときは時折イスに座ることを承知してもらう
- デスクワークで吐き気がするほど肩こりになることが増えているので、定期的に体を伸ばすしぐさをすることを事前に伝えておく
- 気持ちの波が大きいので、いつもと同じように声をかけてくれた時に不機嫌なことがあるかもしれないことを伝えておく
上記のようなことをできたらしっかりと説明しておくことが必要です。
ただ、伝えたからと言って、同僚に頼り切ったり甘えたりするのではなく、その状況を改善するためにどのような努力をしているかも伝えておくことが必要です。
薬で状況を改善しようとしているとか、生活習慣を改めているとかですね。
本人も努力をしていることが伝われば、周りの人も協力的になりやすいものです。
私はこんなにしんどいのだから周りが気を遣って当然!という態度では、なかなか周囲の理解を得ることはできませんからね。
そしてとても大事なこととして、あなた自身の更年期障害の症状が治まり、自分の上司や同僚、後輩で更年期障害になってツラそうな人がいたらできるだけフォローをしましょう。
自分が助けてもらったことを周囲に返していくことができれば、職場の雰囲気や仕事の進めやすさがどんどん良くなっていくはずですよ。
同僚の更年期障害について理解するためには?
先の項の最後での少し触れていますが、自分以外の誰かが更年期障害で苦しんでいる時、もしその人が病院に行っていないようであればやはり通院をすることを進めた方が良いでしょう。
もしあなたがすでに更年期障害を経験していたとして、その症状が軽かったからと言って、決して相手に「更年期障害くらいで…」なんてことを言うのはNGです。
更年期障害というのは本当に個人個人で症状の出方が全く違うので、自分が軽くても他の誰かが軽く済むということはないのです。
ただ、職場での関係ですので、すべてにおいて自分がフォローしていてはお互い仕事になりません。
仕事に来るのであれば、それなりに働けるコンディションで来るのは社会人として常識なので、更年期障害でしんどい思いをしている同僚には一先ず通院をすすめて、症状の改善に努力をしてもらうことも大切です。
更年期障害の症状が出ている本人がそれなりに努力をしていても、それでも症状として出てくるものについては、お互いさまでフォローをすることも大事です。
大変な時にフォローをし合える関係を作っておくと、自分の体調不良でどうしても迷惑をかけてしまう時も、お互いさまということで負担に感じすぎることもなくなるでしょう。
同僚の更年期障害について理解するのは自分のことでない分、難しい点があるかもしれません。
しかし、あなたが女性であればいずれ経験することになる時期ですし、男性であれば母親やパートナーがいつか経験することになることなので、できるだけ理解できるように予習しておくのも良いですよ。
しかも更年期障害は女性だけのものでもないので、あなたが男性であるなら余計、年齢による体質の変化について冷静に勉強をしておくときっと将来の役に立ちますよ。
更年期障害の無理解と退職
更年期障害が出てくる年齢というのは40代半ばからが多いので、ずっと勤続していた女性ならそれなりのポジションが職場内にあると思います。
その分、今までと同じように仕事が回せないことについてイライラしたり、落ち込んだりすることが増えるかもしれません。
とにかく更年期障害でしんどいことが起こっているなら、病院へ行って適切な処置をしてもらうことが大切ですが、それでもなお職場でしんどいことが続くなら、休職をすることを考えても悪くありません。
確かにずっと続けていた仕事を休職するのは気が引けますが、長い人生の先を楽しく過ごしたいのであれば、少しだけ自分の体に耳を傾けてペースを取り戻すのも大切です。
また、手に職がある人であれば、退職後、スキルを磨きながら体調を戻すことに専念するのもアリです。
ただ、もし後年障害への無理解によって、退職を無理強いさせられることがあれば、それは職場の上司なり労基局なりにしっかりと状況を訴えることが必要でしょう。
現状では働く日本人女性で更年期障害で悩む人の25%は、仕事の量などについて減らすとか部署異動をするなどして仕事を調節しているそうです。
退職をしても差し支えないのであれば、更年期障害でしんどい時期はしばらく体を整えることに専念しても良いと思うのですが、仕事を続けたいのであれば、自分の状況と改善に向けた努力を示しつつ、職場と相談をすることが大切でしょう。
また、周りに理解してもらうことだけを希望していて、自分でのケアを忘れてしまってはただの「自分勝手で迷惑なおばさん」というレッテルを貼られてしまいますから注意が必要です。
厚顔無恥で恥ずかしい存在にならないために、サプリメントなど、手軽に活用できるもので自分のできる範囲で体調ケアを万全にできるよう、必ず何らかの行動を起こすようにしてくださいね。