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頭痛が止まらない

更年期障害には色々な症状がつきものですが、中でも「のぼせ」と「頭痛」、「イライラ」はかなり多くの女性が経験する症状と言われています。

どんな症状での体調が良くないというのはツラいもの。

でもそうした様々な症状にあっても、頭痛ほど気分を重くやるきを削いでくれる体調不良ってありませんよね。

では「更年期障害」が原因で起こる頭痛の改善には一体どんな方法が効果的なのでしょうか?

今回は「更年期障害と頭痛」にスポットを当ててご紹介します。

頭痛はやっぱりツライ!後頭部の頭痛は吐き気もともなって大変なことに…?

女性にはそもそも「片頭痛もち」が多いのですが、もしあなたがもともと片頭痛もちであるなら、頭痛からの吐き気って何度も経験をしたことがあるかもしれませんね。

更年期障害の頭痛というのは、根本的にはエストロゲンという女性ホルモンの減少によって自律神経がバランスを失うために起こりやすくなるとされています。

さらに、こうして起こった頭痛は痛みが強いものが多いので単に頭痛だけでなく、めまいや吐き気なども引き起こします。

また、更年期と言われる期間は身体にいろいろな不調が出てくるので、そうした不調から肩凝り→頭痛、とか逆に頭痛→肩凝りなどという負のスパイラルも起こりがちです。

こうした頭痛と、頭痛によって起こるその他の症状を抑えていくには、まず「頭痛はどうして起こるのか」「頭痛とはそもそも何なのか」など頭痛の基礎知識を知っておく方が良いでしょう。

頭痛ってそもそも「何が」痛んでいるの?

頭痛がしんどい。頭がズキズキ痛い!きっとあなたも今までに風邪を引いたり、疲れが溜ったりしたときに頭痛に襲われたことは何度もあるでしょう。

感覚的には「脳みそが痛いよ!」とか「頭にある筋肉が締め付けられているよう…」などと思いますが、本来脳みそ…つまり脳の細胞自体は針でつつこうが痛みを感じることはありません。

ですから頭痛というのは脳みそではなく、頭の血管と頭の周りの筋肉が痛みを感じているという状態なのです。

その頭痛は何タイプ?

頭痛には大きく分けると2つのタイプがあります。

一次性の頭痛と二次性の頭痛です。

それぞれのタイプの特徴は次の通りです。

一次性頭痛

特に原因となる病気がない場合の頭痛

一次性の頭痛は脳梗塞や脳腫瘍と言ったようなあからさまに頭痛になる原因がない場合の頭痛を指します。

一次性の頭痛の種類には「片頭痛」と「緊張型」、「群発型」があり、更年期障害で起こる頭痛は片頭痛型に似たものが多いとされています。

片頭痛

文字の通り、頭の片側や時に両側において、血管の脈と同じようなリズムでズキズキ激しく痛みを感じることが多いです。
  
片頭痛は脳内の血管で「神経ペプチド」が遊離することで炎症が引き起こされ、血管が拡張をするために起こる頭痛です。

更年期でなくても30~40代の女性に多い頭痛と言われています。

痛みがひどいときは吐き気を伴うことがあったり、眼底(目の奥)まで痛みが広がることも珍しくありません。

緊張型頭痛

こちらも文字通り「緊張」や「ストレス」が原因で「頭蓋骨を包む筋肉」や「膜」が異常に収縮して起こる頭痛です。

多くの場合は1日のうち、夕方にかけて痛みが強くなり、睡眠をとることで緩和しやすくなります。

この頭痛はどの年代をとっても女性の方が有病率が高いという特徴のある頭痛です。

群発頭痛

目の奥にある「脳に栄養を送るための血管」が腫れることで起こされる頭痛です。

血管の腫れによりその周囲の神経が圧迫されるので痛みが起こるのです。

二次性頭痛(器質性頭痛とも言う)

一次性頭痛と異なり何か病気があることで頭痛がひどくなっていくものです。

くも膜下出血や脳腫瘍、脳梗塞、脳溢血などなど、脳に何かの不調が起こったことが原因の疑いが強いので、自分の頭痛がどうも二次性頭痛では…?という人はすぐに医療機関を受診するのが大切です。

更年期が原因になっている頭痛は他の頭痛と何が違う?

更年期障害の代表的な症状の1つである頭痛は、更年期の女性の実に7割が苦しんでいる症状ともいわれいてます。

更年期の頭痛は痛みだけなら上でご紹介している「片頭痛」に似ていると言えなくもありません。

これは更年期障害により頭痛の原因が「エストロゲン減少→ホルモンバランスと自律神経が乱れる→脳への血液の供給が不安定になる」と言った流れにあるからです。

つまり頭部に対して血液が上手に送れなくなることが更年期による頭痛の原因と言っても過言ではないということです。

血液が上手に回らないということは、より多くの血液を流そうと血管が拡張し、片頭痛と同じような痛みをもたらすのですね。

ただ、いつもの片頭痛と更年期の頭痛が違うのは、更年期の頭痛が「イライラ」「のぼせ・ほてり」、「めまい」などをたいてい同時進行で伴っているというトコロです。

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更年期の頭痛は頭痛薬じゃ治らない??

更年期の頭痛というのは、痛みの種類そのものは片頭痛などに似ていますが、原因は「ホルモンバランスの崩れ」というように、通常の片頭痛の原因とは全く違います。

ですから、更年期の頭痛を普通の頭痛薬で治そうとしてもほとんど効果ナシ…というのは実はよくあること。

基本的に更年期からくる頭痛に対しては、ストレス解消やリラックスを心掛けるのが第一。

あとは目や首、肩の筋肉をほぐすというような、通常の頭痛対策にも使える方法もあります。

これはツボなどを利用すると手っ取り早く痛みがのぞけますよね。

また、意外かもしれませんが、更年期での頭痛対策には「冷え」対策が効果的です。

更年期は自律神経のバランスが崩れていることで「身体の冷え」が顕著になってくることが多いです。

冷えは漢方的には「未病」ともいわれている「病気の一歩手前」の状態。

冷えを改善することはそのまま、更年期全体の状態を改善することにもつながってきますよ。

更年期の頭痛を改善する方法にはどんなものが?

更年期の頭痛対策はここまでにもいくつかご紹介してきましたが、ここからは頭痛対策方法をもう少し掘り下げてご紹介します。

更年期はすぐには終わらないので…

更年期というのは通常は1週間、2週間で終わるものではないので、長い目でみた「不調対策」が必要です。

もし風邪からの頭痛…というのであれば、鎮痛剤ですぐに改善!というのもできますが、更年期の頭痛は更年期の間中続くことも考えられるので薬にばかり頼ってはいられません。

一時的に薬に頼らざるを得ないことももちろんあるでしょうが、薬に頼ってばかりだと、肝臓を傷めることになったり、薬への依存が高まることもありますからね。

更年期の頭痛に「ツボ」はいかが?

更年期の体調不良に結構効果的なのは何を隠そう「ツボ」です。

ツボ治療やハリ治療はそもそも身体の「気」のめぐりをよくするという考え方が根底にあるので、身体の不調で滞っている気をツボを圧すことで巡りやすくしてくれます。

では更年期の頭痛に効くツボにはどんなものがあるのでしょうか?

百会(ひゃくえ)

  

場所
百会は頭頂部にあるツボで、両耳を結ぶ線と眉間の中央と頭頂部(頭のてっぺん)を結んだ線が交差する場所にあるツボです。
効果
百会は頭痛全般に効くツボとして知られるツボです。

しかも体のどの部分の傷みにも効果的と言われているので、一先ずここのツボを覚えておくとgood!!

圧し方
両手の中指を使って、下の方向にギュッギュッという感じで4~5回強めに圧しましょう。

※片頭痛の人は、痛い患部から遠いツボから圧した方が良いので、いきなり百会を圧すのは控えた方が良いでしょう。

太陽

場所
こめかみにあるツボで、眉毛の外側の端と目じりを結ぶ線の中間あたりにあります(もっと詳しく言うと、その中間から指2本分外側がピンポイントです)。
効果
片頭痛以外の頭痛全てに効果的と言われています。
圧し方
両手の人差し指で円を描くようにクルクルとまわすように刺激すると良いですよ。

大衝(たいしょう)

場所
足にあるツボで、足の親指と人差し指の「骨の分かれ目」にあるツボとなっています。
効果
前頭部が痛む人に効果的なツボです。

ストレスや精神的な負担が強い時に頭痛が起こりやすいのが「前頭部」。

この前頭部の痛みを和らげてくれるツボなので更年期の頭痛にも効果大です。

圧し方
両足にあるツボなので、手の親指などでギュ~ッと4~5回強く刺激をすると効果的です。

足臨泣(あしりんきゅう)

場所
足の小指と薬指の骨の分かれ目にあるツボです。
効果
側頭部に痛みがある時に効果があるツボです。
圧し方
足の指先に力を入れて、かかとの方向に引っ張るようにもむのが◎です。

崑崙(こんろん)

場所
足の外側にあるツボで、外くるぶしと足首の後ろ(アキレス腱)の間にあるくぼみ=崑崙です。
効果
片頭痛に効果の高いウレシイツボです。

百会などで片頭痛に攻められない方にぜひ覚えておいてほしいツボですね。

  

圧し方
手の指で「さするように」圧すのが大事。

風池(ふうち)

場所
耳たぶの後ろにあるツボです。

耳たぶの後ろの骨が出っ張った場所、その後ろのくぼみが風池です。

効果
ここは頭痛だけでなくめまいや耳鳴りが同時に起こっている時に効果的なツボです。

次にご紹介する天柱のツボと合わせて圧すと効果倍増!!

圧し方
4~5回、手の指で強く押し上げるように刺激するのが効果的な圧し方です。

天柱(てんちゅう)

場所
後頭部にあるツボで、後頭部の盛り上がった骨から指2本分下に位置するツボです。

ここは首の中央から指2本分外側の位置でもあるので、首側から探した方が見つかりやすいかもしれません。

効果
風池と同じく、頭痛+めまい、耳鳴りが同時進行の時に効果的なツボです。
圧し方
圧し方も風池と同様に、4~5回強く圧すのが効果的です。

三陰交(さんいんこう)

場所
足にあるツボで、足のうちくるぶしのでっぱりから指4本分上にあるツボです。
効果
冷え性や血行が悪い時に効果的なツボです。

もちろん頭痛にも効きますが、体がむくみやすいとか、冷え性である人で頭痛があるという人により効果的なツボと言えるでしょう。

圧し方
手でふくらはぎをつかむような形で、親指を使い強く圧すのがポイントです。

更年期の頭痛にはサプリが良い?

更年期障害でも、動けない…というような重症でないときはサプリなどで女性ホルモンに似た成分を補充すれば体調が改善することも多くあります。

そもそも更年期障害の治療の一環に「ホルモン補充治療」というのがあるので、サプリでホルモンに似た成分を補うのは更年期での体調不良には良いことなのです。

ではどんな成分が入っているサプリが効果的なのかというと、「大豆イソフラボン」や「ザクロエキス」、「葉酸」などが効果的とされています。

他には、最近注目が高まっている成分の「エクオール」などが配合されているものも効果的ですよ。

また、慢性的な頭痛に悩まされている場合には、「更年期の症状を緩和することで~」とか悠長なことを言ってもいられないと思いますので、頭痛に特化したサプリメントもあるので一度チェックしてみてください。

あまりにもひどい頭痛の時は迷わず治療を!

更年期の頭痛というのは、更年期の女性の約7割が経験しているのですが、だからと言って「このくらいの頭痛は我慢かな」と安易に思わないで欲しいな、とも思います。

というのも、更年期というのは女性ホルモンの減少と自律神経のバランスの崩れで、血圧が上がりやすくなっていたり、血中の悪玉コレステロール値が高くなったりしやすいからです。

血中の悪玉コレストロールが多くなると、高脂血症になりやすくなったり、動脈硬化を引き起こすこともあります。

脳梗塞などにもなりやすくなることから、あまりひどい頭痛が続くような場合は「更年期だから…」と思わずに適切な治療を受けることもとても大切です。

これも忘れないで!更年期とひどい「めまい」について

更年期による頭痛をご紹介してきたのですが、頭痛と同時に更年期の女性の多くが経験している不調に「めまい」があります。

更年期の女性が経験するめまいには、大きく分けて次の2種類があるとされています。

回転性のめまい

回転性のめまいは「メニエール病」の人が経験しやすいめまいと同じような感じです。

突然天井や壁、周囲の景色などがグル~っと回っているように感じで、30秒くらいという比較的長い時間めまいが続きます。

原因は、耳の中にある「三半規管」という器官に炭酸カルシウムの粒(←耳石というところにあります)が剥がれて入り込んでしまうことと言われています。

三半規管は身体の平衡感覚をつかさどっているので、そこに炭酸カルシウムの粒が刺激を与えることでめまいが起こるとされているのです。

浮動性のめまい

浮動性のめまいは一般的に脳血管の障害や高血圧、自律神経の乱れが原因で起こりやすいめまいと言われています。

つまり、更年期の女性が経験しやすいめまいは浮動性のめまいということですね。

このめまいは過度のストレス、抑うつでも起こることがあるので、更年期+ストレスでめまいの状態がひどくなることもあるでしょう。

状態としては船で揺られているような、フワフワとゆらゆらとした感じですね。

肩凝りや首の凝りがある時にも出やすく、「血流が滞ると起きやすい」とも言えるでしょう。

めまいの改善方法

頭痛の改善と同じく、更年期のめまいについても、基本的にはリラックスと「血流改善」が基本です。

すぐにできることでは、軽くストレッチをして血流をよくすること、お風呂にしっかり入ってゆっくりを筋肉をほぐすことなどが肝心です。

めまいの場合は「何かを食べて」というような改善方法は多くないのですが、栄養成分を補充するサプリを飲むとか、大豆イソフラボンで血流を良くするというのは効果的ですね。