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更年期障害で感じること

社会の変化によって、現代日本人の栄養状況は大変恵まれたものになっています。

この栄養状態の好転というのは、人々の「体のあり方」にそのまま反映され、日本人女性の体格の発達というのは第二次大戦後と比較すると驚くほど伸びました。

こうしたことも関係して、日本人女性においては「性成熟」も早まっています。

性成熟の早まりというのは、簡単に言うと月経が始まる年齢が早まってきていることに繋がりますが、始まりが早くなると月経の終わりである「閉経」の時期も早まることになります。

少し前まで「更年期」というと50代半ばくらいの女性の悩みとして取り上げられることが多かったのですが、今では早い人で30代から更年期症状に悩む人が増えているということです。

こうなると更年期独特の症状に関する悩みは「ちょっと年上女性の悩み」ではなくて、「大人の女性なら誰でも悩みとしてもっていること」とも言えるかもしれません。

このページでは、更年期にかかわる様々な症状や前兆症状の情報と、あなたが悩んでいる症状が更年期によるものかをチェック項目をご用意しました。

女性にとって更年期による体調の変化や不調は他人事ではありません。

ぜひ自分の体や心と向き合って、更年期症状を自分のペースで乗りきってくださいね。

そもそも更年期とは何?

更年期という言葉は、女性であれば誰でも1度は聞いたことがあるかもしれませんね。

親ほどに年の離れた年上の女性と一緒に生活をしたことがある人なら、更年期症状に悩む年上女性を身近に見たことがあるかもしれません。

ただこの「更年期」という言葉について、あなたは明確な意味を知っていますか?

よく耳にするわりにはぼんやりとしたイメージの「更年期」について、まずはしっかりと知っておきましょう。

更年期とは

更年期とは一般的なイメージで言うと、50歳前後の10年間ほどを指す言葉として用いられることが多いと思います。

このイメージはあながち間違いでもないのですが、もっとしっか言うと、更年期というのは「女性において、閉経をはさんだ前後10年間」を指します。

閉経がいつ起こるかは個人によって異なるので、ちょっと早めですが40歳で閉経した人にとっては、前後10年間なので35歳~45歳までがその人にとっての更年期ということになります。

これが比較的平均的な50歳での閉経なら、その人の更年期は45歳~55歳ということになります。(ちなみにこの平均閉経年齢というのは日本人女性についてです)

日本人女性での閉経に関してお話しすると、日本人女性はその約5%が40代に入ると生理不順を伴うようになり、45歳前後から閉経する人が増え始めるということです。

ただ、冒頭でも少し触れていますが、現在は初潮年齢が低くなっていることもあり、閉経が早まる傾向が出てきているそうで、早い人では30代に入ってから更年期の前兆症状を見せ始める人もいるということです。

けれど、この「更年期の前兆症状」というのは、知っていなければそれが「前兆症状」なのかどうか見極めることができません。

更年期の前兆とわからなければ適切な処置もできないので、体調不良や精神的な不安定さを的確に改善できないかもしれませんよね。

こうした意味で、更年期における前兆症状を知っておくということはとても大事になってくるのです。

どうして更年期は起こる?

女性の体に更年期障害(更年期の特徴的症状)が起こる原因と理由について、こちらのページで詳しくご紹介しているのですが、ここでも簡単にご紹介しておきますね。

女性というのは特に健康上の問題がない場合、生まれる前、母親のお腹にいた頃から、自分自身の体の中、もっと言うと卵巣の中に「卵母細胞」というものを持っています。

この卵母細胞は、第二次性徴期に体が成熟していく過程で卵子を作れるようになり、卵子を作れるようになると月経が始まります。

ちなみに…卵母細胞の数というのは出生時に大体100万個ほどあると言われています。

この卵母細胞はそれがそのまま卵子になるわけではなく、変性などを経て最終的に女性は一生涯で300~400個の卵子を排卵するとされているのです。

単純計算をすると、月経周期が教科書通り28日周期であると、1年間365日で13回の月経があることになります。

この13回すべての月経で排卵が起きているとすると、生涯に400個の排卵をしたとして30年ほど月経があることになります。

ということは、13歳で月経が始まったのであれば、この女性は43歳で閉経を迎えることになりますよね。

さて、女性がそもそも持って生まれた卵母細胞ですが、ここで解説をしたように「卵母細胞が卵子になって月経が始まる」というのは、女性の体の仕組みとして女性ホルモンがしっかりと働くようになるからです。

女性の体が丸みを帯びたり、髪が豊かでいたり、肌の艶を保ったりできるのは、こうした「女性ホルモン」の働きによります。

この女性ホルモンというのは2つの種類があって、月経周期で2つのホルモンが増減することで女性は精神的にも色々と変化することもたくさんあります。

月経前にイライラしやすくなるとか、月経中にとっても眠くなるとか、ふさぎがちになるなんて言うのは個人の性格うんぬんではなくて、女性ホルモンの変化によるところが大きい場合も多いのです。

毎度の月経に関する女性ホルモンの変化ですら、女性の心身に大きく影響してくるものなので、これが「閉経」という女性ホルモンの変化的に大きな出来事となれば、女性の心身にはかなり大きな変化が起こることは想像に難くないですよね。

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女性ホルモンの変化でどんな影響が出てくるのか?

更年期が辛いのはホルモンのせい

先ほどの話の中で、女性ホルモンは「女性らしさ」を醸し出すために作用しているというようなことをご紹介しましたが、では女性ホルモンの変動で閉経の時期が来ると、一体どんな影響が出てくるのでしょうか?

閉経というのは「卵巣の活動を終息させること」なので、女性の体が閉経に向けて準備を始めると、卵巣で作られる「エストロゲン」という種類の女性ホルモンが急激に減少し始めます。

この「エストロゲン」というホルモンは、子宮の発育や子宮内膜の増殖などにかかわっているホルモンです。

性成熟期であれば、卵巣で作られたエストロゲンの信号が脳に伝わり、脳から卵胞刺激ホルモンや黄体刺激ホルモンの刺激が卵巣に伝わるという相互の疎通がうまくできます。

しかし、閉経準備に入っている卵巣からはエストロゲンの信号が弱くなるため、脳が「こちらがもっと頑張らなければいけないのか?」と勘違いして、卵胞刺激ホルモンや黄体刺激ホルモンの信号を大量に出すようになります。

こうなると、脳と卵巣の間でのやり取りがうまくかみ合わなくあり、ホルモンバランスが一気に崩れて体調や心に影響を及ぼしてくると考えられているのです。

具体的には、閉経前=更年期初期の症状で月経周期が短くまたは逆に長くなるなどの「月経異常」、不規則な出血、自律神経失調症に見られる症状の現れ、物忘れや集中力の低下など「精神的な部分への影響」が一般的とされています。

その症状は更年期障害?前兆や症状をチェックしよう!

ここまで更年期についての基礎知識をご紹介してきましたが、ここからは具体的に更年期の症状や前兆を知るためのチェック項目をご紹介します。

まずは更年期初期の症状や更年期の前兆に見られる症状です。

更年期の前兆

  • 生活習慣や食生活をほとんど変えていないのに月経が不順になり始めた
  • 月経周期の不順に伴って気分が落ち込みやすくなったり、イライラすることが増えた

さてこの2つの症状について、あなたはいかがですか?

え?前兆ってこれだけ?と思われるかもしれませんが、更年期というのは先にもお伝えしたように「エストロゲン」など「女性ホルモン」の減少によって起こるものなので、強いて挙げる前兆というとこうした2つくらいしかなくなるのです。

しかもこの2つは更年期の前兆でなくても、生活習慣が少し乱れたり、精神的にまいるようなことがあれば結構すぐに表れてくるものなので、30代くらいの女性であれば「よくあること」として気づかないことだって多くなります。

ただ、ポイントとしては「生活習慣を変えていない」ということなので、特に月経が不順になる原因も考えられないのに、月経周期が不規則になってきたら、頭の片隅に「更年期の前兆か?」ということを思い浮かべるのは大切です。

ちなみに…月経不順や不正出血は子宮や卵巣などの病気の症状である場合も少なからずあるので、何か異常が現れたら、それがたとえ更年期の前兆かもと思えても、速やかに婦人科で診察を受けるようにしてくださいね!

更年期初期の症状!この症状があると更年期の始まり?

個人差はもちろんあるのですが、一般的に更年期の初期に見られる症状としては次のようなものがあります。

  • 月経の異常…周期が長くなる/短くなる/不規則な出血・がある
  • 自律神経の乱れ…更年期障害や更年期の初期症状では自律神経失調症と同じような症状が頻繁に見られます。

    具体的には「のぼせ・ほてり・発汗異常・手足の冷え・動悸・高血圧/低血圧」などです。

  • 精神的な症状…不眠・どうしようもないイライラ・抑うつ・頭痛・めまい・ひどい物忘れ・集中力の低下
  • 更年期による精神的な症状というのは、月経前症候群の症状を重くしたような感じのものが多いのが特徴です。

    特にイライラや抑うつ症状は更年期の初期の人に比較的多く見られる症状として知られています。

更年期中期や後期にはどんな症状が出てくるの?

更年期の前兆や初期というのは、急激に減少したエストロゲンによる影響で、どんな人にも少なからず何らかの症状が出やすいと言われています。

ただ、更年期障害の症状というのは個人によって相当の差があるので、初期にちょっとイライラやのぼせがあった人でも、中期や後期にはあまり体調がしんどくない状況で過ごせたという人もいます。

一方で、初期からずっと体調や心がしんどくて、結局更年期を抜けきるまでかなりしんどい思いをしたという人もいます。

次では更年期中期~後期によく見られる症状についてご紹介します。

  • 表面的な衰え…肌を中心として、しみやしわ、たるみや透明感といった「女性らしさ」が低下することがあります。
  • 下半身の衰え…泌尿器系の衰え(頻尿や尿漏れ、尿意の我慢がしづらい)が顕著になってきたり、膣内の自浄作用が衰えることで細菌性膣炎を起こしやすくなったりします。
  • 骨格などの衰え…筋肉や骨格が弱くなることで、肩こりや背骨の痛み、関節痛、腰痛などになりやすくなります。筋肉の弱まりは尿漏れの促進にもつながっています。

この3つの項目以外にも、女性ホルモンの減少は女性の高血圧を招いたり、気分の落ち込みを深くしたりすることもよくあります。

更年期の気分の落ち込みを「うつ」と判断して、抗うつ剤を服用するようになる人もいますが、更年期のうつはきちんと対処すれば一過性で終わるので、すぐに投薬治療を始めるのは少し待っても良いかもしれません。

更年期障害(更年期による諸症状)の重症度をチェックしよう!

このページの最後に、更年期による諸症状の「重症度」をチェックできる評価表をご紹介しておきます。

これは日本産婦人科学会による評価表で、当てはまる項目が多いほど「更年期の症状がひどく」、指数が高いほど重症度が高いという結果になります。

日本人女性の更年期症状評価表

  • 1)顔がほてる
  • 2)上半身がほてる
  • 3)のぼせる
  • 4)汗をかきやすい
  • 5)夜になかなか寝付くことができない
  • 6)夜中に目を覚ましやすい
  • 7)興奮しやすくなり、イライラしやすい
  • 8)つねに不安感がある
  • 9)神経質である
  • 10)くよくよしやすくなり、憂うつなことが多い
  • 11)疲れやすくなった
  • 12)目の疲れがひどい
  • 13)新しいことを覚えにくかったり物忘れがひどい
  • 14)動悸が激しくなることが増えた
  • 15)胸をしめつけられるように苦しくなることがある
  • 16)頭重感がある、頭痛が頻繁にある
  • 17)首や肩のコリが強い
  • 18)背中や腰がよく痛むようになった
  • 19)手足の関節が痛むことが増えた
  • 20)腰や手足の先が冷える
  • 21)手足や手指がしびれることがある
  • 22)音に敏感になった

あなたは22個の項目のうちいくつくらい当てはまりましたか?

当てはまった項目が多ければ多いほどツラい更年期の症状に悩まされているということになりますので、早々に対策を打ったほうが良いと言えそうです。

すぐに始められる対策としては、「更年期障害に効果のあるサプリメントを飲みはじめてみる」というような手軽にできる対策から行っていくのがいいでしょう。

次に、あなたの「更年期障害の重さ」を判断するための指標として更年期指数を割り出してみましょう。

簡略更年期指数(SMI)…出典:小山嵩夫「簡略更年期指数:SMI」

症状 なし
顔がほてる 10 6 3 0
上半身がほてる 10 6 3 0
腰や手足が冷えやすい 14 9 5 0
息切れ、動悸がする 12 8 4 0
寝つきが悪い、眠りが浅い 14 9 5 0
怒りやすく、イライラする 12 8 4 0
くよくよしたり、憂うつになる 7 5 3 0
頭痛、めまい、吐き気がよくある 7 5 3 0
疲れやすい 7 4 2 0
肩こり、腰痛、手足の痛みがある 7 5 3 0

【合計点数】

0~25
異常はありません
26~50
食事、運動に注意して生活をしましょう。
51~65
更年期・閉経外来を受診し、医師と生活や習慣について話し合いましょう。
66~80
長期にわたる計画的な治療が必要です。速やかに更年期・閉経外来を受診しましょう。
81~100
各科の精密検査にもとづいた長期の計画的な治療が必要です。必ず専門医の診断を仰ぎましょう。

こちらは指数の合計による重症度の判断です。参考にしてみてくださいね。

更年期障害のケアには周りからの協力を仰ぐことも非常に大切ですが、自分自身で体調のケアをしていくこともとても大事なことです。

手軽に飲めて普段の食事で補いきれない栄養素のサポートをしてくれる「サプリメント」をうまく活用していくことがおすすめですよ!