この記事は約 4 分 36 秒で読めます。
更年期障害では、動悸やホットフラッシュなどの体の症状にスポットが当たりがちですが、あわせて気にしていきたいのは精神的な症状です。
重いものや、重症のものになると情緒不安定から暴力をふるうことになってしまったりすることもあります。
精神的な症状も、更年期障害から起こるものであれば、しっかり治療をすれば軽減したり、改善したり、悩むほど深刻化することもなくなります。
更年期障害からの精神的な症状を重いものにしたり、重症化させてしまって自分だけでなく、家族や周囲の人まで悲しい気持ちにさせないためにもしっかりと治療をしたり改善の手を施したりするようにしましょう。
更年期障害から起こる精神的な症状にはどんなものがある?
更年期障害は女性ホルモンのバランスが崩れる(具体的にはエストロゲンの分泌が減少する)ことによって、女性の身体が心身ともに健やかに保つことが難しくなる期間のことを指します。
一般的には多くの女性が45歳~55歳くらいまでの10年間に、更年期による何らかの不調を経験すると言われています。
身体的な症状というのは自分でも「更年期のせいかな?」と気づきやすいのですが、精神的な症状についてはそれが更年期によるものだと気づかずに治療をすることをせず、症状が重いものになったり重症化したりすることも少なくありません。
こうした重い精神的な症状になってしまわないためには、更年期による精神的な症状にどのようなものがあるかを知っておくことはとても大切です。
情緒不安定
更年期障害からくる精神的な症状の代表的なものには「情緒不安定」があります。
女性が更年期になっている時期というのは、親の介護問題や子どもの将来のこと、夫の仕事のこと、そしてもちろん自分の仕事や老後のことなど、色々と気にかかることが噴出する時期でもあります。
ですから、つい自分の情緒不安定を「周囲の環境のせいだろう」とする人が多くなるんですよね。
しかし、この時期の女性の情緒不安定問題について、本当の根っこは「更年期障害」だったりするんですよね。
では更年期障害によって起きてくる情緒不安定には具体的にどんな症状があるかというと…?
止まらないイライラや焦燥感
更年期障害によるイライラや焦燥感の特徴は「常にイライラしてしまう」とか「ちょっとしたことでイライラが爆発してしまう」ということにあるでしょう。
普段なら(もしくは以前なら)特に気にならなかったことについて妙に目についてイライラしてしまうとか、今まで子どもや夫がすることでも許せた内容がどうしても許せなくなる…などですね。
そして何よりは「自分でもおかしいと思っているのにそのイライラが止まらない」ということも更年期障害におけるイライラの特徴と言えるでしょう。
ただ、こうしたイライラや焦燥感というのは月経前症候群(PMS)で悩まされたことがある人は、似たような症状を感じたことがあるかもしれません。
そうした人は、40代半ばから感じ始めるイライラも(まだ閉経前だった場合は)「いつもの月経前のイライラかな」と流してしまいがち。
でも40代半ばくらいになっていたら、閉経をしていなくてもイライラが続いたり、焦燥感で苦しい気持ちになるのであれば、更年期専門外来や婦人科に相談に行くことをおすすめします。
他には、イソフラボン配合のサプリを飲むとか、納豆などの大豆製品を積極的に摂るなどして、女性ホルモンのバランスをできるだけ崩さない努力をすることも大切です。
家族と同居している人は「あなた最近イライラしすぎじゃない?」と家族の誰かに指摘されるようになったら、そのことをきっかけにして自分の身体と向き合うことが大事です。
「あなたのせいでイライラするのよ!!」なんて売り言葉に買い言葉なことをしていると、せっかくの家族関係を壊してしまいかねません。
更年期の精神不安や情緒不安定によって夫婦関係が破たんしたり、家族がみんな疎遠になることも実は少なくないと言います。
あなた自身の心身と、大切な家族を守るためにも、イライラや焦燥感が続くときは「もしや更年期?」を疑うことは大事ですよ。
すぐに病院に行くことが難しい…という人は、更年期に効果のあるサプリを飲むことから始めるのも良いですよ。
重い症状でなければ、サプリでも充分効果を感じられる人は多いのです。
抑うつ症状
更年期障害からくる精神的な症状も重いものになると「うつ病」へと発展することは少なくありません。
イライラや焦燥感を強くなるのは女性ホルモンであるエストロゲンの減少が主な原因とされていますが、このイライラや焦燥感を放置しておくと、どんどん気持ちが悪循環に取り込まれて、最終的には抑うつ状態からうつとなってしまうのです。
更年期による「抑うつ」や「うつ」については、「更年期による抑うつ・うつ」の詳細ページがありますので、そちらに詳しくお伝えしていますので、ぜひそちらを参考にしてくださいね。
とにかく、更年期による情緒不安定は放置しておくと良い結果を生むことはないということだけは、しっかり頭に入れておいてくださいね!
不眠などの睡眠障害
更年期障害の原因にエストロゲンという女性ホルモンが関わっていることは何度かご紹介してきました。
このエストロゲンというのは、「自律神経」にも作用をしていて、女性にとっては健康的な生活や心身を維持するためにとても大切なホルモンと言えます。
自律神経というのは「交感神経・副交感神経」という2つの神経のことを指しているのですが、この2つの神経というのは人間の「緊張」や「リラックス」のバランスを保つ非常に重要な神経なのです。
人間は緊張しっぱなしでも、逆にリラックスしっぱしでも健康的な生活は送れません。
適度に緊張があり、適度にリラックスがあることが大切なのですね。
しかし、このバランスが崩れると上手にリラックスができずに睡眠に障害が出てきます。
更年期による睡眠障害や不眠については別に詳細ページを設けているので、そちらを参考にしてみてください。
ただ、ここで必ず知っておいてもらいたいのは、更年期障害では「不眠」や「睡眠過多」などの睡眠障害が起こることがあるということです。
何だか眠れない、何だかいつも眠い…こうした症状は個人の努力不足などが原因でなく、更年期障害が原因のことがあるのです。
1人で悩まずに、症状が軽くなるような方法を専門家と見つけたり、経験者にアドバイスをもらうのは大事ですよ。
暴力
更年期障害とは違うのですが、認知症になった人というのは以前のその人を知る人がびっくるするくらい暴力的になることがあります。
元気なころのその人は丁寧で礼儀正しく、決して声を荒げるようなことはなかったのに、認知症が進んでいくにつれて、これまでに聞いたこともないような暴言を吐いたり、ちょっとしたことで暴力を振るったり暴れたりするようなことがあるのです。
これは認知症という病気のために、脳にある感情や行動を制御する部分が萎縮したり機能しづらくなることで起こる現象と言われています。
ただ、病気とわかっていても、やはり毎日介護をする人や家族にとってはこうした暴力はツライものですよね。
更年期障害でも、エストロゲンというホルモンが減少することで必要以上に攻撃的になったり、怒りやすくなったりすることがあります。
これまでなら許せたことが許せずに口論になったり、自分の行動が制御できずに暴力を振るってしまうことがあるのです。
こうした暴力的な行動が、更年期障害によるものだとわかっていれば、少しは周りの見方も変わってくるかもしれません。
しかし、そうしたことを知らなければ「急に人が変わったようだ」というだけで周りの人はどんどんあなたから離れていってしまいます。
また、暴力というのはそのまま「傷害」などの罪なることだってあるのです。
自分の人生も家族の人生も守るためには、暴力を振るいそうな自分がいることに気づいたらすぐに治療を始めることが大事です。
もし治療をしていても、どうしても爆発したくなった時は、クッションや枕など叩いたり蹴ったりしても大丈夫なものを決めて、そうした物に発散しましょう。
それでも足りない!という場合は、いっそのことダイエットや健康維持もかねてボクササイズなどを始めることも良いでしょう。
とにかく暴力は自分にも他人にも向かわないように、これだけはきちんと努力をして制御するようにしなければなりません。
統合失調症
ここまでにご紹介してきた「情緒不安定・睡眠障害・抑うつ・暴力」などは、更年期が原因のものだけではありません。
こうした更年期障害からの精神症状によく似た病気に「統合失調症」という病気があります。
統合失調症という病気、聞いたことがありますか?
統合失調症の主な症状には「幻覚」「妄想」「興奮」「意欲低下」「感情の起伏の喪失」「引きこもり」などがありますが、これだけではありません。
統合失調症というのは様々な精神症状を呈する病気なのです。
詳細に関しては「更年期障害とよく似た病気」という詳細ページがあるのでそちらをぜひご参考くださいね!
ここでお伝えしたいのは、更年期障害からの精神不安定だと思って治療を受けていてもよくならない場合などがある時は、1度セカンドオピニオンとしてでも心療内科を受診することをおすすめしますということですね。
更年期障害からの精神的な症状にはどんな方法が効果あり??
更年期障害で何か精神的な症状がみられてきた場合、重いものや重症化したいる場合でなければ更年期に効果のあるサプリなどを試してみることから始めるのも良いですよ。
というのも、更年期で精神的な症状に気づいた際でも、すぐには病院を探して受診することができるという女性ばかりではないからですね。
そして、ちょっとしたイライラや情緒不安定などのときはすぐに病院に行くことを考える人が多くないということが挙げられます。
もし家族の人で、妻や母親に対して「あのイライラはもしや更年期なのでは?」と気づくことがあれば、「健康にいいよ」ということで更年期に効果のあるサプリをプレゼントするのも良いでしょう。
他には、食事に納豆を必ず取り入れるようにしてみるとか、豆乳を飲む機会を増やすなどエストロゲンに似た食物を積極的に取り入れるようにすると軽めの精神的症状ならある程度抑制することができるようになりますよ。