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更年期を迎えた女性は、閉経に伴い卵巣の機能が低下し、卵巣から分泌されるはずのエストロゲンという女性ホルモンの量が少なくなっていきます。

この女性ホルモンの分泌が減っても、脳は今まで通りに分泌をするように指令を出します。

ですが、年齢とともに卵巣の機能が低下してしまい、エストロゲンが十分に分泌できないため、身体と脳のバランスが崩れてしまうのです。

これを『ホルモンバランスの乱れ』と呼んでいて、この影響で身体や気持ちの面で大きな不調が出てきたりします。

その中の1つに『眠い』という症状も含まれているのです。

眠気の原因は?交感神経と副交感神経が関係していた!

更年期が訪れた女性は、眠いのに眠れないという不眠の症状があるほかに、一方で、とにかく眠くてしょうがないという症状もあります。

これらの症状は『交感神経』と『副交感神経』という自律神経が深くかかわっているのです。

交感神経には日中に活発な活動をするもので、副交感神経は夜、睡眠時に活発な活動をして、身体や心をリラックスさせてくれるものがあります。

通常であれば日中に交感神経の活動が盛んになり、夜になると副交感神経が活動するのですが、お昼を過ぎても寝ていたりして、身体を動かさないと交感神経の活動が弱くなってしまうのです。

更年期を迎えると女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少して、自律神経のバランスが乱れてしまい、とにかく眠くてしょうがないという症状を引き起こしてしまっているといわれています。

つまり、日中に働くはずの交感神経がうまく活動しないことで、昼間でも強い眠気に襲われてしまい、逆に夜、交感神経が優位になってしまうとなかなか寝付けず、眠いのに眠れないといった症状が出てきてしまうのです。

辛い眠気…。自分でできる対策と予防方法

あなたに合う対策・予防方法があれば、日中のつらい睡魔や倦怠感なども解決できるので、ぜひ参考にしてみてください。

食生活を見直す

まずは食生活の見直しをしていきましょう!

更年期の眠気の根本は女性ホルモンの減少による、ホルモンバランスの乱れから来る自律神経のトラブルです。

ですので、まずはホルモンバランスの乱れを整えることが出来る『亜鉛』を多く摂るようにします。

女性の場合、亜鉛不足が続くと女性ホルモンの活動が悪くなってしまったり、生理不順の原因となる場合もあります。

特に更年期に入ると、亜鉛不足の影響でホルモンバランスを余計に乱れさせてしまい、症状を悪化させてしまうこともあります。

亜鉛は肉類などの食品などに含まれていて、不足すること自体あまりないかもしれませんが、意識して摂るようにしましょう。

また女性ホルモンと同じような働きを持つ『イソフラボンの1種であるサポニン』は手軽に摂ることができるのでオススメです。

大豆製品に多く含まれており、納豆や味噌、もやしなど、比較的に普段の食事に取り入れやすい食品ばかりです。

女性ホルモンと同じような働きを持つので、更年期特有の症状全般に効果が期待できるので、眠いという症状だけでなく、ホットフラッシュや倦怠感、疲労感、動悸などの症状にも効果が期待できます。

また、大豆製品を摂ることでエクオールという、エストロゲンと似た働きを持つ成分をつくることが出来るので、ぜひ食事で摂っておきたいですね。

もし栄養素をしっかり摂ることが難しいようであれば、サプリメントなどで補給するのも効果的です。

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適度な運動をして体を動かす

布団に入る前に10分ほど、ストレッチやヨガなど、身体を伸ばす運動をします。

これを続けることで、副交感神経を刺激し、気持よく入眠できるようになります。

逆に、激しい運動は交感神経を活発にしてしまうので、寝る前は息を整える程度のものにしましょう。

日中に運動するのであれば、有酸素運動を基本としたジョギングなどの軽いものをおすすめします。

熱めのシャワーを浴びる

シャワーに限らず、湯船でも問題ありません。

温度は42℃くらいの少し熱めのお湯を浴びるようにします。

ですが、これだけだと交感神経を刺激することになってしまうので、お湯を浴びた後に、手と足に水を浴びせるようにします。

そうすると副交感神経が刺激され、気持よく眠ることが出来るようになります。

布団に入る時間と起床時間を毎日同じにする

簡単に説明すると体内時計をセットして、毎日決まった時間に就寝・起床するということです。

日々の生活を一定のリズムで繰り返すことで、体内時計がセットされ、夜は自然と眠くなって、朝になると目覚ましをかけなくても起きれるようになります。

眠い時のカフェイン摂取について

自身で眠気対策としてコーヒーなどでカフェインを摂ることで眠気を飛ばしてみたりしていませんか?

実はこれ、あまりおすすめできません。

カフェインは1度その量に慣れてしまうと、量を増やしていかないと効果を実感できなくなってしまうのです。

カフェインに頼った睡魔対策をしていると、最悪の場合、カフェイン中毒を引き起こしかねないので、程々にしておきましょう。

眠気と病気の関係?更年期以外にも原因がある?

色々と対策などしてきたけど、どれも効果を実感できず、異常なまでに眠い…。

そんな時は別の病気が原因の可能性も考えられます。

眠気という症状を伴う病気を紹介していきますので参考にしてみてください。

糖尿病

主な症状として、高血糖状態になることでのどの渇いたり疲れやすく、だるさを感じます。

その他にも多尿で、尿も若干甘い匂いがします。

初期症状では、膵臓から分泌されるインスリンが血糖値を下げる力が弱くなり、高血糖になると血液がドロドロになってしまい、血流が悪くなってしまいます。

その影響で、脳に届くはずの糖(ブドウ糖)や酸素などが不十分となり、エネルギーの足りない脳は、活動を休ませようとして強い眠気を起こしてしまうのです。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠中に無呼吸の状態が10秒以上続き1時間に5回以上、または7時間で30回以上ある場合をこの病気である疑いがあります。

症状はいきなり止まる『いびき』と『無呼吸』です。

特にいびきは大きなものや強弱の激しいものを連続してかきますが、急にいびきが止まり、それと同時に呼吸も停止する状態が1時間に5回以上発生します。

一晩で何度も無呼吸の状態が起こることで睡眠が浅くなってしまい、日中に眠くなってしまったり、やる気が出ない、だるさを感じるようになります。

ナルコレプシー(過眠症または居眠り病)

この病気は日中に急に強い睡魔に襲われる睡眠発作の病気です。

主な症状として、起床時は普通に目を覚ましますが、昼から午後にかけて突然強い眠気が襲ってきます。

ですが、数分~30分程度の睡眠でスッキリ目を覚ましますが、また数時間経つと睡魔が襲ってきて、居眠りをしてしまい、これを繰り返してしまいます。

さらにこの病気の特徴として、普通では眠気が襲ってこないような会話中であったり、食事中などのタイミングでやってきて、居眠りしてしまうのです。

  • 万が一の場合に備えて
  • 仮に原因が病気であった場合、速やかに病院で検査・治療をしてもらいましょう。

    「私は大丈夫!」と放置してしまっていると、あとで取り返しのつかないことになってしまう可能性もあります。

    少しでも心当たりがあるのであれば、決して油断せず、医師に相談してみましょう

更年期と眠気について

ここまで散々原因や対処方法を紹介してきましたが、もちろんこれらは大切です。

ですが、それよりももっと大切なのが『しょうがない』と受け入れてしまうことだと思います。

更年期になると多くの女性がこういった症状に悩みます。

決して1人で抱え込んだりせず、周囲の人たちに協力をしてもらい、なるべく肩の力を抜いて生活していきましょう。

ストレスを減らして、生活をすることが何よりも大切な時期なので、あまり深く考えないようにして気楽に過ごしていくことで、うまく更年期と付き合っていくことが大切です。