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更年期を迎えた女性の中に『やる気が出ない』という症状がみられることがあります。
この症状は更年期特有の症状の一つで、ポジティブでまじめな人ほど注意が必要と言われています。
そういった人ほど、周囲の人から『ただ怠けているのでは?』と勘違いされたくないと、余計に頑張ってしまいストレスを感じてしまうことで、別の症状が併発、もしくは悪化させてしまうのです。
そこで、まずはやる気が出なくなくなる原因を知って、その対策をしていきましょう。
症状が軽いうちなら軽減、抑制ができる場合があります。
この記事ではそういった、更年期障害特有の症状である『やる気が出ない』という部分にスポットライトを当てていくので、ぜひ参考にしてみてください。
なぜやる気が出ないのか?
女性に起こる更年期は閉経を挟んだ約10年間を指しています。
日本人の場合、平均的な閉経年齢が50歳くらいと言われているので、更年期の期間は45~55歳前後が平均となっています。
多少の個人差はあると思いますが、そのくらいの年齢から急に家事や育児などに対して『やる気が出ない』ということがあるのです。
その原因のほとんどが、女性の閉経に大きく関係しています。
閉経が近づくにあたり、卵巣の機能低下が進行していくことで女性ホルモンの分泌量が減少していきます。
そうなると自律神経のバランスが崩れ、冷えやのぼせ、ほてり、不眠、倦怠感などの様々な症状が出てくるのです。
そのうちの1つにやる気が出ないという症状があります。
いわば、有効期限付きのうつ状態と言っても良いかもしれません…。
ですが閉経してしばらくすると症状も和らいでいき、次第に今まで通りの生活を送ることが出来るようになります。
ですがその状態を放置し続けると症状が慢性化してしまい、閉経後も続いてしまうことがあるので対策が必要です。
なので、そのままにせず治療や対策を継続していくことがとても大切になります。
ホルモンバランスと自律神経について
自律神経というのは、交感神経という起床中に気持ちを高ぶらせる働きを持つものと、副交感神経という睡眠時や気持ちや身体をリラックスさせるために働くものがあり、その2つの神経を合わせたものを『自律神経』と言います。
日中に日差しを浴びることで男性ホルモンのテストステロンの活動が活発になり、暗くなると女性ホルモンのエストロゲンが活発になることで身体をリラックスさせてくれるのですが、この2つのホルモンが自律神経の切り替えをしてくれるのです。
女性の場合、女性ホルモンのエストロゲンの供給は卵巣に依存しているため、更年期を迎え女性ホルモンの分泌量が低下することで交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなってしまい、自律神経のバランスが崩れてしまいます。
このバランスの乱れが更年期障害のメカニズムとなっています。
自律神経の乱れとやる気
ではなぜ更年期を迎え、自律神経が乱れることでやる気が出なくなってしまうのでしょうか?
更年期を迎えると閉経に向けて女性ホルモンの分泌量が減少することで、副交感神経の活動が鈍くなってしまいます。
この副交感神経が機能しないことでストレスが軽減できないままになってしまい、新たなストレスを生んでしまうのです。
その状態が長期間続き、交感神経が活発になったままになると気持ちが高ぶったままになり、自律神経が正常に機能しなくなってしまいます。
自律神経が正常に機能しなくなることでやる気が出ないという症状をはじめ、特有の様々な症状が出てくるのです。
やる気が出ないときの対策方法とは?
更年期を迎え、やる気が出なくなってしまった時の対策方法を紹介します。
まずは自律神経の乱れを整えることが何よりも大切になります。
そのためには生活環境の乱れを整える必要があるのです。
規則正しい生活をすることで症状を軽減、改善することが可能となっています。
睡眠時間の確保
身体や気持ちを休ませるために副交感神経を活発にする必要があります。
そのためには睡眠時間をしっかりと取り、なるべく同じ時間に寝て、起きるようにしましょう。
毎日バラバラの時間に寝てしまうと睡眠時も交感神経が休まらず、リラックスできません。
食生活の見直し
偏った食生活をするのではなく、栄養バランスの取れた食事にします。
脂っこいものは控え、野菜や魚を中心にしたメニューに切り替えると良いです。
特に大豆製品である、納豆や豆腐にはサポニンという女性ホルモンと同じような働きを持つ成分が含まれているので、多めに摂ることで症状の軽減に効果が期待できます。
適度な運動をする
適度な運動をすることで、血液の循環を良くしてくれ、必要な栄養を脳に届けてくれます。
そうすることで自律神経が乱れにくくなり、症状の軽減や改善に期待ができるといえます。
さらに、更年期の前から運動をしている人は更年期に突入しても更年期障害になりにくかったり、なったとしても比較的に症状が軽いというデータがあります。
無理をしすぎない
更年期障害の症状は責任感が強く、まじめな人ほどなりやすく、症状も大きいと言えるでしょう。
なので自分一人で頑張ろうと無理をせず、周囲の人たちに協力を求め、理解してもらうことが非常に大切です。
生活リズムを乱さない
交感神経と副交感神経の切り替えをしっかりできるようにするためには、まず生活のリズムを整える必要があります。
なるべく同じリズムで生活することで、自律神経の急な切り替えが不要になり、症状を緩和することが出来ます。
やる気が出ない…そんな時は
更年期を迎え、何をするにもやる気が出ない…。
そのために周りの人から「怠けている」「サボっている」などと文句を言われたり、対応が変わってしまったりすることでストレスが溜まってしまいます。
そうならないために、まずはあなた自身でできる対策をとって、症状を軽減していきましょう。
思い切って周囲の人たちに相談したり打ち明けてみるのも良いかもしれません。
決して1人で抱え込むようなことはせず、時にはしょうがないと思う気持ちも大切にしていきましょう。